もびとは

もびは2005年、こどもが生活している空間にパフォーマンスを届けるために始められた活動です。

主宰の西井夕紀子が同世代のアーティスト(音楽家、俳優、ダンサー、美術家、小説家など)に声をかけてチームを組み、ときには研究者(教育学や生物学)を交え、学校や文化施設に出かける「もちはこびパフォーマンス」を行ってきました。

「パフォーマンス」の行われる空間を「表現を受けとり発する場」また「人と人が出会う場」と大きくとらえ、鑑賞と創作、遊びの間を行き来できるようなプログラムづくりを目指しています。

もびの名前の由来

ちはこパフォーマンスのこと?
(本当は、みじさん、のさんと始めた活動だから)

もびにとってのパフォーマンスとは?

人と人が出会うこと

もびの理念

1. おくりもの

ーこどもとアーティストが出会うことで生まれる「小さな変化」ー
もびの仕事は参加した人たちが、視点、やり方、思いつき、を交換する場を作ること。へえ!ほう!と驚いたら、もびはひそかにそれを「おくりもの」と呼んでしまいます。目に見えないおくりものを交換して、何か変わった?変わらない?行方は本人にしか分からないけれど、確かにその「発見」を経て、それぞれが普段の生活や新しい出会いへと進んでいきます。

2. よりみち

ー関係ないことをしても大丈夫ー
「よりみち」には「思ってもみないこと」が潜んでいます。はみだしたもの、想像をこえたものに遭遇したときにこそ感動や成長がありそう、ということで、「よりみち、みちくさ、とおまわり」をメインにしたのがもびの活動です。何にもならなそうなことを思いきりやる。ぼんやりする。こんな人に出会った!もびはそういうことが好きです。(プログラム最中のよりみちも、どきどきしながら歓迎しています。)

3. しゃかい

ー人と人が関わり合う場ー
一日限りのプログラムであっても、人と人が関わり合う場、そこには小さな社会が浮かんできます。いろんなことが起こりますが、お互いについて理解や共感が出来なくても、そうなんだ、と心の中に置き場所を作れるような場にしたいと考えています。もびの活動では、複数の大人たちとこどもたちが入り混じり時間を過ごします。多様な感じ方、反応、判断が行き交う場であることを心がけています。

もびプログラム

主催者の皆さまと一緒に、ご相談しながらプログラムを作ります。様々なプログラム展開が可能です。

もちはこびパフォーマンス

こどもが普段生活している空間にパフォーマンスを届けます

やること
音楽家、俳優、ダンサー、美術家、小説家などのアーティストが、学校や文化施設、託児スペースなどを訪れます。表現することやつくることにじっくりと取り組むもの、ワークショップのプロセスを経て一緒に発表するものなど、こどもたちに合わせて様々な展開をしています。

目指していること
アーティストやこどもたちが、それぞれの表現を発見しあうことのできる場づくりです。

活動時期
不定期

ほうかごクラブ

こどもを対象とした新たな「遊び場」です

やること
活動日には子どもたちに場を開放し、アーティストや専門家と交流する機会を作ります。

目指していること
多様な表現や物の見方に出会う、「もうひとつの場所」になることです。

活動時期
ひと月に1回程度

活動場所
横浜市大倉山記念館ほか

アトリエえんそく

アーティストのアトリエを訪問します

やること
自然豊かな地域に暮らしながら創作活動を行っているアーティストのアトリエを訪問し、制作の様子、生活を肌で感じます。

目指していること
様々な職業や遠く離れた地域の人々の日常に思いをはせるきっかけをつくることです。

活動時期
半年に1回程度

コンサート

音楽をもちはこびます

やること
ウエディング・パーティや、ホームパーティ、クリスマス会、ライブハウスでミニコンサートを行います。演奏家や編成はご相談しながら一緒に考えます。

目指していること
身近な場で音楽を楽しむ時間をつくります。

もびのひと

西井夕紀子(「もび」主宰・音楽家)

プロフィール

東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科卒業、同大学院音楽研究科修了。2005年より「もび」を主宰し、文化施設、学校などでのワークショップやパフォーマンスを企画。音楽家としては2007年以降、演劇やダンスなどパフォーミングアーツへの楽曲提供、演奏家としての出演など、多岐に渡って活動を行っている。楽曲を提供した主な作品に、東京国際芸術祭2007にしすがも創造舎演劇上演プロジェクトvol.4『アトミック・サバイバー−ワーニャの子どもたち−』(演出:阿部初美、2007年)、『トンカツであーる』(ペピン結構設計、2010年)、山崎朋ダンス公演『とりつくしま』(2011年)、酒井幸菜ダンス公演『わたしたちは生きて、塵』(2012年)、演奏家として出演した作品に『ザ・マッチメーカー』(中野成樹+フランケンズ、2011年)、モモンガ・コンプレックス vol.9『秘密も、うろ覚え。』(2013年)などがある。その他、かれいざわアートICHIBA2012(青森)にレジデントアーティストとして参加、東京とその近郊、青森に住む人々による音の手紙を収録したCDアルバム、『Dear Someone』を制作している。

有川敦子(教育哲学)

プロフィール

東京芸術大学在学中、「NPO法人芸術家と子どもたち」による、アーティストの学校派遣事業(ASIAS事業)にボランティアとして参加したことをきっかけに、教育(子ども)と芸術(アート)の結節点の創出とその基礎概念の形成に関心を持つ。卒業後、教育と芸術の協働についての考察を深めるため、横浜国立大学大学院にて教育哲学を専攻。その頃より、「もび」西井夕紀子との協働を始め、横浜市立間門小学校、神奈川県立瀬谷養護学校、神奈川県立小田原高校、こども環境学会横浜大会、守谷市市民交流プラザ、春日部市春日部第2児童センターにおけるもびワークショップをコーディネート。今後も自身の関心事を深めながら、もびの実践活動をサポートしていく。

及位友美(コーディネーター)

プロフィール

慶應義塾大学美学美術史学専攻卒業。取手アートプロジェクト事務局、東京都現代美術館学芸アシスタントを経て、NPO法人アートネットワーク・ジャパンに勤務。急な坂スタジオやフェスティバル/トーキョーの立ち上げに関わり、広報・制作・制作統括を担当。2012年よりグラフィック・デザイン/コーディネートを行う「voids」を立ち上げ、アート関係のPR・編集・デザインなどを請け負う一方、アートプロジェクトのコーディネート、アーティスト・マネジメントなどにも携わる。「もび」には2012年3月よりコーディネーターとして参加している。